
1人事業部、デスク無しからスタートした
■まず、リンクアンドモチベーションについて教えてください。
当社(以下、LMIと略称)は、リクルートの組織人事コンサルティング室という部署のメンバーが中心となって、2000年4月に7名でスタートした会社です。そこから同志が集まり、今では350名を超える規模のグループに成長しました。
私たちは、働く人の“気持ち”とか”やる気”すなわち「モチベーション」に着目をして、コンサルティングやソリューションを提供します。社員の積極的な行動を呼び起こしてこれを積み重ねることによって、組織を元気に、日本を元気にする。そんな大きなテーマを掲げて事業を展開しています。
当初は出身母体がそうであるように、組織人事領域のコンサルティング会社という設定だったのですが、事業領域が広がった現在は「経営コンサルティング会社」と表明しています。コンサルティングという言葉には、絵に描いた餅を提示してお金をもらうという、そんなマイナスイメージがありますが、私たちは再現性のある仕組みや実効性のある提案・支援という点に強い意思を持っています。分かりやすく「コンサルティング」という言葉を使っていますが、「モチベーションエンジニアリング」という基幹技術を売る集団なんだという定義をしています。
グループ内では事業領域を4つに分けて戦略を立てています。
エントリーマネジメント(採用戦略)、モチベーションマネジメント(組織戦略)、ブランドマネジメント(ブランド戦略)、そして私が担当しているプレイスマネジメント(プレイス戦略)です。
■佐藤様がLMIに参画された経緯を教えてください。
私はリクルートに約5年間在籍し、いくつかの部署を経験しました。その間2年ほど、小笹(LMI社長)の下でメンバーとして勤めていました。
リクルートを退社して他の2社を経験したのち、私が個人事業主として活動していたときに、「新会社を創業するのでオフィス創りを手伝って欲しい」と小笹から声をかけられたのです。その再会をキッカケとして、気づいたら、取り組んでいた事業を持ち込む形で、LMIに参画していました。(笑)
その事業というのが「アイデンティティを持ったオフィス構築の仕事」です。ですからプレイスマネジメント事業はLMIの創業間もなく(4ヵ月後)生まれた新規事業ということになりますね。
最初は“1人事業部”からスタートしたのですが、オフィスが手狭で席がありませんでした。モバイルワーカーとして外を駈けずり回り、オフィスに帰ったときには空きスペースで仕事をして、というのが半年ぐらい続きました。そして1周年、2001年1月にこちらのオフィスに引っ越し、ようやく自分の席を持ちました。
そこから事業も大きくし仲間もふやしていって、2004年12月に別法人化する形で子会社のリンクプレイスが誕生したのです。
■オフィスを設計されている方に席がなかったなんて意外ですね。
そうですね(笑)。
オフィスはコミュニケーションのためにある
■こちらのオフィスは賞をとられたり、話題にもなりましたが、特に工夫したところなどを教えてください。
「LMIってこんな会社なんだ。」「こんなことを大事にしてるんだ。」「こんなことをやろうとしてる組織なんだ。」ということを肌で実感していただける体感空間、メッセージが伝わる空間、を意識しました。
オフィスは何のためにあるかというと、「コミュニケーションのため」と言い切っても良いのではないか。人と人が時間と空間を共にしながら、何かのやり取りをする、そのための場所であると。
ここ6階「LinkPlaza」は、ウエルカムな雰囲気で外部の方を迎え入れ、社員と外部の方が打ち合わせをし、様々な人がクロスして声を交わすコミュニケーションの場ということを強く表現しています。
■この部屋にはDarwin(ダーウィン)という名前がついていますね。
会議室はケネディやコロンブスなど、それぞれ偉人の名前を冠した部屋になっています。それぞれテーマ設定をしていて、そのテーマをあらわすようなアイデアとか工夫を施してあります。部屋ごとに「アイデンティティ」を持たせているのです。
ディズニーランドが個性的な1つ1つのアトラクションを融合して一つの世界観を表現しているように、このフロアの会議室や利用する個人もそれぞれアイデンティティを持ち、さらに全体としては統一されたコンセプトになっている、ということを空間設計で表現しています。
また、会議室を選ぶ時に、単に人数に合わせて部屋を予約するのではなく、「来週の会議はこんな目的で、こんなストーリー展開にしたいので、あの部屋がマッチするかな」といった思考を通して会議に臨む、事前にシミュレーションしておくことに価値があると考えています。
一人一人の欲求充足と、組織が目指す目的達成を、いかにうまく融合させるか。そのための場はどうあるべきかということを考えているのです。
ワークプレイスの主役は社員
■“ワークプレイス”という言葉にはどんな意味づけがあるのですか。
私たちは、時間と空間を共にする施設設備を「リアルコミュニケーションプレイス」、時間と空間を異にするIT・情報通信環境を「バーチャルコミュニケーションプレイス」、そしてこれらの利用や運用方法をあわせた全体を「ワークプレイス」と定義しています。
アイデアを出すための部屋では、曲線を使った家具や柔らかい印象の素材を使い、話をまとめる目的の部屋では、青とか紺の寒色で直線が強調される家具を使う、という工夫をしていますが、大切なのは使う人や訪れる人が実際にどう感じさせるかだと思っています。「感じてもらう」ということも、コミュニケーションなんですよ。また、ITツールを活用すると時間と場所の活用法も大きく変わります。
例えば当社では、本社の各エリアや汐留・大阪・名古屋の拠点に薄型テレビを設置して、社内カレンダーやニュースを同時配信し、さらに携帯電話やノートパソコンでも同じ情報を見られるようしています。『社長からのメッセージ』なども、ほら(...とご自身の携帯電話を示して)毎日配信されています。
「同じものを違う場所でも共有している」ということが、コミュニケーションに大きな効果を与えるのです。
■携帯電話の活用はメールやスケジュールだけではないのですね。
そうです。
こういったコミュニケーション施策は思い立ったら試し、その効果を確認して、お客様にもお知らせできるようにグループ全体で取り組んでいます。
また、現状の仕事環境に対する社員の評価を、重要度と満足度によって定量的に捉えるツール「ワークプレイスモチベーションサーベイ(WMS)」を使用して、マーケティングを実施しています。
WMSで得られた統計データから、「プレイス戦略」によって企業を強くする多くのヒントが得られるのです。
■今後の事業展開についてお聞かせください。
コミュニケーションのための空間とブランディングのための空間、この2つをいかに戦略的につくって運営していくかを、重要テーマとして捉えています。
ショールームや病院・学校など、オフィス以外の領域にも関わって行けると考えてます。
さらにコミュニケーションの活性化、ブランディング力の向上、ワークスタイル変革へのきっかけ作りについて深く掘り下げ、ワークプレイスの主役である社員のモチベーションの向上を図っていきます。
■ITなどのバーチャルプレイスを含めた『プレイス戦略』という考え方が、非常に新鮮で刺激になりました。本日はありがとうございました。
(聞き手:弊社代表須田)
・ステイオンサービス
・クイックレスキュー
「LMグループ全体の『バーチャルコミュニケーションプレイス』であるITインフラを支えてもらい、社員が困ったときの手助けをしてもらっています。
コミュニケーションのありかたを研究・事業化・実践している我が社にとって、ITは活動の生命線と言えます。
技術的な知識以上に、個人の持つ人間力を発揮し、今後もコミュニケーションの活性化を支援して頂きたいと思っています。」







